フライト・ゲーム 評論
邦題が過去の作品とかぶって少ししょぼい気がするが、中身は結構骨太でソリッドシチュエーションサスペンスとしても完成度高し。
娘を喪った辛さにより酒に頼る後ろ向きな人生を送るが責任感は人一倍強い。アルコール依存症による心神耗弱か？それとも彼の言うように他に犯人がいるのか息つく間も無い展開の早さに固唾をのむ暇もない。原題はNON-STOPなのだが、こっちの方が作品のイメージを簡潔に言い当てているように思います。
とくに序盤から中盤にかけてのサスペンスフルな展開が実に良いです。犯人が誰なのか、自分なのかすら分からない状態での密室殺人におのずとテンションは高くなります。
しかも第一回目の殺人は偶然の要素すらも犯人のコントロール下にあり、ちょっと出来過ぎのような気がしますが犯人が誰なのかまったく分からない息を呑む展開にボルテージは上がりっぱなしです。この展開は『フライト・プラン』とイメージがダブりますが、こっちのほうがよりチューンナップされている感じです。
正式な批評は追々書きますが今作はなかなかの佳作だと思います。