パシフィック・リム 評論

ストーリーにそれほど新味を感じなかったものの怪獣とロボットの戦い方が斬新でテレビに釘付けになった。映画は怪獣とロボットを駆る主人公の戦いを主軸に置く一方で、科学者が怪獣が地球に派遣される本当の理由を追うひとつのストーリーの中にふたつのサブストーリーが含まれている。アクションと軽い謎解きがミックスされてストーリーに奥行きが出るように工夫されて、キャラクターに厚みを増すためのバックストーリーも最小限に抑えてだるくならず軽快さを喪わないよう配慮されている。この作品が成功した一番の要素はイェーガーというロボットを操縦するためには二人の人間を必要とする設定である。相性も必要だし、お互いの意識を共有するというダイレクトなコミュニケーションが話しをより一層深いものにしている。ただし、前述したようにこの作品はロボットが怪獣を倒すという過去作品に何度も登場したストーリーの焼き直しである批判には反論のしようがない。だが、この作品はストーリーもさることながらメカニックの精巧さやロボットの描写を鑑賞するのが肝だから良しとするべきではあるまいか。

 

★★★★

 

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