Movie Review-お
オリオン座からの招待状
浅田次郎の小説の登場人物はやせ我慢の極致みたいな人がよく出てきますが、この映画でも映写技師と未亡人のプラトニックな愛が綴られていました。 この映画を綾なす横糸はプラトニックな恋愛で、縦糸になるのが京都の西陣にある映画館オリヲン座の盛衰、ひいては日本映画業界の黄金期への郷愁です。 昭和の世間を賑わせた数々の名作が登場し、あの時代を知らない私でさえも甘酸っぱい気持ちになりました。 なかでも劇中で『無法松の一生』が度々登場するのですが、二人の関係を暗示しているんだな、と思いました。もし映画をご覧になられる方がいらっしゃるのでしたら、『無法松の一生』がどんな映画かはチェックしておいたほうが良いでしょう。 古き良き西陣の街が良かったですね。ちなみに西陣は日本で最初に映画館が出来たところなのだそうです。
★★★★